トピックス    2007.8
 日亜化学
 
「偽装請負」是正 約束ほご!
    告発者を「不採用」!!
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        【 組合員排除の一方で請負を大募集! 日亜は合意守れ!!】 ジャンプ
        【 直接雇用の約束否定!  共産党調査団、きびしく批判!!】 ジャンプ


 青色発光ダイオードなどで知られる日亜化学 (徳島県阿南市) が、「偽装請負を是正し、請負労働者1,600人全員を直接雇用する」 と約束してから8ヵ月余。 「ワーキングプアから抜け出せる」 と喜んだ青年労働者が直接雇用どころか、事実上の解雇に追い込まれる事態になっています。 いったいどうなっているのか― 。


日亜化学工業株式会社の本社
=徳島県阿南市

“青年労働者の希望踏みにじる”

 日亜化学の偽装請負が発覚したのは、2006年10月。 請負を装って派遣労働者を働かせているとして、JMIU (全日本金属情報機器労働組合) に入った労働者が、徳島労働局 (厚労省) に対し、偽装請負をやめさせ直接雇用させるよう申告したのが始まりでした。

 3交代勤務で働いても月収約18万円。 年収240万円にもなりません。 2ヵ月の短期契約を繰り返し、3年以上働いている人もいました。

 放置できなくなった県の仲介で日亜化学はJMIUとの間で、3年以上勤める労働者を契約社員として順次採用し、正社員への道を開くことで合意。 組合側は申告を取り下げました。

 県知事も、「全国の企業のリーディングケース」 とのべるなど、偽装請負の是正に動き出したはずでした。

  ■ 試験で選別

 ところが、これまでに2回の選考試験が行われ、約110人が受けましたが、採用されたのは半分もいません。 JMIUの組合員は1人も採用されていません。 その一方で4月には255人を新規採用しています。

 選考試験について日亜化学は、適性を見るためだと説明し、「筆記試験が零点でも、3年働いたことを最も重視する」 とまで明言していました。

 労働者は現役として働いており、適性があることは明らかです。 機械操作などに関する社内の認定試験にも合格し、日亜化学の正規労働者に逆に教えていたほどでした。

 派遣法に照らしても、日亜化学に課せられているのは直接雇用を申し込む義務であり、選別する権利などないのです。

 JMIU日亜化学分会長の島本誠さん(34) は、会社にいた2年半、認定試験をすべてパス。 不合格となった同僚が解雇されるなかで働き続けてきただけに、不採用になるとは思いもしませんでした。 「試験は茶番です。 日亜を告発するような労働者を追い出すためのものだ」 と憤ります。

 これに対して日亜化学は、「合意に基づいた採用選考を実施している」 として正当化しています。

 徳島労連の森口英昭事務局長は、「直接雇用しなければならない労働者を試験という手法を使って排除し、偽装請負を続けようとするものだ。 県も入った合意をほごにするもので社会的責任が問われます」 と強調します。

  ■ 職場を廃止

 選考試験に先立つ昨年12月に会社は、組合員らが働く生産ラインを鳴門市に移転するとして廃止し、職場から追い出しました。 「優先的に仕事を回す」 との約束も守られず、7月で失業手当もなくなりました。

 6歳の子どもを持つ島本さんは、妻がパートで稼ぐ月収9万円だけが支えです。 「組合との合意では、直接雇用される3年になるまでの雇用の安定を約束していたのに許せません。 こんなやり方を許せば、だれも偽装請負を告発することができなくなる」 と島本さん。

 派遣法49条では、労働者が派遣法違反を告発でき、会社側がそれを理由に解雇など不利益な取り扱いを禁じています。 違反すれば 「6月以下の懲役または30万円以下の罰金」。 松下プラズマディスプレイ偽装請負裁判では、告発した労働者に対する報復行為があったとして会社側に慰謝料の支払いを命じました。

  ■ 県に批判も

 「約束破りは許されない」 として島本さんらは7月、直接雇用の指導を求めて徳島労働局に再び申告。 県にも日亜化学に合意を守らせる責任を果たすよう求めました。

 地元紙やテレビ局が報道。県民から 「偽装請負を告発した労働者が採用されず、解雇されるなんておかしい」 との声があがっています。 日亜化学を県が 「(合意を) 順守されている」 (飯泉嘉門知事) とかばう姿勢にも 「県の姿勢も問われる」 との声が出ています。

 日本共産党徳島県議団と仁比聡平参院議員は8月8日、厚生労働省に対して 「告発した者が不利益を受けることなどあってはならない。 直ちに調査し雇用の安定をはかるべきだ」 と要請しました。

徳島労働局への申告後、記者会見する組合員
=7月23日、徳島県庁

 厚労省職業安定局は、一般論として 「直接雇用を義務づけできない」 とする一方で、「申告にもとづいて調査し、必要があれば指導することになる」 と答えました。

 JMIUは、「世間をあざむく悪質な企業行動は、社会的に批判されるべきだ」 として、支援を呼びかける声明を発表。 合意を守らせるたたかいを広げています。

 島本さんは 「青年労働者の希望を踏みにじり、世間をあざむく行為は許されません。 ワーキングプアをなくせと願う全国の人と力をあわせて、合意を守らせるまでたたかう」 と話しています。


          日亜化学とのたたかい


2006年

 10月 JMIUが徳島労働局に偽装請負を告発。

 11月 正規雇用を前提に1,600人全員の直接雇用でJMIUと合意。

 12月 組合員らの生産ラインを廃止し、日亜化学から排除。


2007年

  7月 JMIUが徳島労働局に再申告、県に解決を求める。

  8月 日本共産党県議団と仁比聡平参院議員が厚生労働省に指導を要請。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2007年8月17日付
 (*) 日亜化学における偽装請負の告発とたたかいはJMIU徳島地域支部のサイトで詳しく紹介しています。

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 青年に希望を!

  組合員排除の一方で請負を大募集!
           日亜は合意守れ!!

 偽装請負の是正と、告発したJMIU(全日本金属情報機器労組) 組合員らの雇用安定を約束した日亜化学(徳島県阿南市) が、その合意を守らず、組合員を職場から全員排除しておきながら、請負会社に多数の求人募集をさせていることがわかりました。

 JMIU日亜化学分会の島本誠代表(34) らは8月20日、約束通りに仕事を保障させるよう徳島県に要請。 応対した県の担当者は、日亜化学の姿勢について 「考えられない」 とのべました。

 日亜化学は昨年11月、労働者の告発を受け、県のあっせんで、JMIUとの間で偽装請負の是正や労働者を直接雇用するまでの雇用の安定を約束していました。

 ところが、日亜化学は昨年12月以降、偽装請負を告発した全組合員らの職場を廃止して失職させた上、直接雇用のための採用選考でも選別し、不採用にしました。

 組合は直接雇用される間の仕事の打ち切りは合意に反するとして、仕事の確保を要求。 日亜化学は今年4月、市内にある3工場を対象に 「仕事を手配する」 と、県を通じて回答しましたが、約束を守っていません。

 その一方で、日亜化学は請負会社を通じて労働者を大募集。 求人情報誌の最新号では、3社の請負会社が 「急募 大増員」 などの大広告を打ち、募集をかけています。

 また合意した直接雇用は、ごく一部にとどめ、組合員は全員排除しながら、4月に255人を新卒採用しています。

 島本さんは 「日亜化学は直接雇用などの合意を何一つ守らず、その後の約束も守らない。 日亜化学の行為は社会的に許されず、引き続き責任を追及し、合意を実行させるまでたたかっていきたい」 と話しています。


 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2007年8月22日付、    同党のホームページ


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  日亜化学…
    直接雇用の約束否定!
     共産党調査団、きびしく批判!!


 偽装請負を告発された日亜化学(徳島県阿南市) が徳島県の仲介で結んだ1,600人の請負労働者を順次直接雇用するとの約束をほごにしている問題で8月30日、日亜化学は全日本金属情報機器労働組合(JMIU) との間で 「合意がなされたという認識は持っていない」 とのべました。

 同日の日本共産党調査団との協議の中で明らかにしたもので、調査団は、労働者と世論をあざむく行為だときびしく批判しました。

 県当局との交渉では、応対した県商工労働部の林善章次長が、合意の存在を認め、「やれることをやっていきたい」 とのべました。 徳島労働局での交渉では、「労働者の申告に基づいて調査に入っている。 全力で進めていきたい」 と表明しました。


日亜化学の役員と協議する日本共産党
の調査団 =8月30日、徳島県阿南市

 調査団は、小池晃、仁比聡平の両参院議員、春名なおあき元衆院議員、笹岡優衆院比例四国ブロック候補、山田豊、古田美知代、扶川敦の各県議らで構成。

 昨年11月10日、県の立ち会いのもと、日亜化学とJMIUが合意した内容は、「同企業で3年以上働いてきた 『請負企業』 の労働者について、3年働いてきた経験を最も重視する採用選考を行って直接雇用する」 ことなど 3項目でした。

 各メディアもいっせいに報道、飯泉嘉門徳島知事も、「大きな前進。 全国の企業のリーディングケースになっていくのではないか」 と絶賛していました。

 ところが日亜化学はこの日、「組合側との間で具体的な合意がなされたという認識は持っていない」 と開きなおったもので、党調査団は、企業として社会的に許されないと批判しました。

 日亜化学との協議後、調査団にJMIU日亜化学分会の島本誠代表(34) ほか 3人の組合員、同地方本部の森口英昭委員長らが調査団に合流しました。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2007年8月31日付、    同党のホームページ


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