シリーズ 「職場から」 2006.10
日亜化学の請負労働者も
偽装請負を告発!
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報道陣の取材に答える日亜化
学の請負労働者=10月10日 |
青色ダイオードの日亜化学
請負労働者が労組結成し… |
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青色発光ダイオードで知られる日亜化学工業(株) (本社・徳島県阿南市) で偽装請負が発覚しました。
請負労働者たちが労働組合の結成を会社に通告 (10月10日)、労働局に偽装請負を告発しました。
同じ徳島県内の光洋シーリングテクノで請負労働者が直接雇用をかちとったことにつづいて、非正規労働者のたたかいの炎があがりました。
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のどかな田園地帯の阿南市に、突然、あらわれる日亜の工場と本社。 日亜化学が注目を集めたのは1998年に発明した青色発光ダイオードです。 信号機や情報機器などに幅広く使われ、発明者がその対価として昨年、8億円余を受け取ることで和解し、話題になりました。
地元の請負会社、シーツービーテック (CTB) に雇用され、日亜化学に派遣されている田中誠治さん(33)=仮名= ら19人は、全労連・JMIU (全日本金属情報機器労組) を結成 (地域労組加入(*)) すると同時に、厚生労働省徳島労働局へ日亜化学の偽装請負を告発しました。
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年収 240万円
田中さんの基本給と職能手当は合わせて18万円余。 時給に換算して1,140円という低さです。 年収は240万円程度。 まさにワーキングプア
(働く貧困層) です。 契約期間はわずか2ヶ月。 すでに2年余り契約更新を繰り返しています。 日亜化学の正社員は3,600人。 請負・派遣など非正規労働者は1,600人です。
田中さんは、「光洋シーリングテクノのたたかいをホームページで見つけ、労組づくりを相談しました。日亜化学の偽装請負隠しは悪質です」 と労組結成と告発の動機を語ります。

偽装請負を告発された日亜化学の工場=徳島県阿南町 |
トヨタ自動車の部品をつくっている光洋シーリングテクノ (徳島県藍住町)。 ここで働く請負労働者たちは、労働組合をつくって偽装請負を社会に告発。
2年間のたたかいでこの9月、59人が直接雇用 (6ヶ月の期間工) を実現し、正社員化をもとめてたたかいをつづけています。
田中さんらは、デジカメなどの液晶を表示するためのバックライトの製造ラインで、防じん服を着て作業をしています。 仕事は、日勤、前夜勤、後夜勤の3交代制。
生産量が落ちると 「後夜勤」 はなくなります。
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田中さんらは、日亜化学の正社員から指揮・命令され、しかも正社員と混在で働かされていました。
(右の図)
実態は、労働者派遣なのに、請負を装っていたのです。
口裏合わせ
しかも、日亜化学とCTBの両社は昨年9月初め、労働局の調査が入る情報をキャッチすると、共謀して偽装請負隠しをしました。 正社員を作業現場から引き揚げたうえ、指揮・命令はCTBの人間から受けているよう口裏合わせをしていたのでした。
CTBは、「まちがっても日亜の人から指示を受けている、一緒に作業をしているということはいわないように」 との文書を労働者に配布していました。
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田中さんらは10月10日、JMIUの山本善五郎副委員長や森口英昭徳島地本委員長 (徳島労連事務局長) らと 徳島労働局へ申告しました。
薄いグレーの作業服姿の田中さんが話します。
「年収が2倍もある正社員に仕事を教えているくらいなのに、なぜこんな安い賃金で働かされているのか納得できません。 派遣状態で同じ仕事を1年間つづけていると、労働者派遣法で日亜化学に直接雇用の義務が生じることも知りました。
テクノのように僕らを直接雇用してほしい。 同じ仕事なら正規社員として働きたい」
徳島から全国に!
光洋シーリングテクノの直接雇用になった矢部さん(JMlU地域支部分会長) の話
「自分たちの将来は、自分たちで変えようと立ち上がった田中さんたちにエールを送ります。 偽装請負はもう許されないんです。 この徳島から全国にたたかいを広げましょう。」
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出典: 「しんぶん 赤旗・日曜版」 2006年10月15日付
(*) 日亜化学における偽装請負の告発とたたかいはJMIU徳島地域支部のサイトで詳しく紹介しています。
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