トピックス     2008.12.26

   いすゞ・藤沢工場派遣社員
     解雇撤回求める仮処分申請! - 横浜地裁へ -
     「まじめに5年半…」思い語る! 
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 いすゞ自動車藤沢工場(神奈川県藤沢市) の佐藤良則さん(49) ら派遣労働者五人が12月26日、各派遣会社に対し契約途中の解雇無効と賃金仮払いを求める仮処分を横浜地裁に申し立てました。

 いすゞは、期間労働者の中途解雇は撤回しましたが、派遣労働者の全員解雇 (藤沢工場は540人) は撤回していません。

 訴えられたのは、いすゞに派遣していた日総工産、高木工業、ジャパンクリエイトといすゞ下請け会社のロジットに派遣していたニューレイバー。

 いずれも来年3月までの契約でしたが、いすゞが派遣契約を打ち切ったことを理由に、ニューレイバーは17日に解雇し、他の4社は26日付で解雇を通告していました。

 記者会見で高橋宏弁護士は、派遣会社には雇用契約期間の途中に労働者を解雇する 「やむを得ない事由」 はないとのべ、派遣会社は利益をあげており、雇用を維持する体力があることを指摘。

 派遣会社は いすゞに契約違反の損害賠償を求めることができるにもかかわらず、労働者に犠牲を押しつけるのは許されない と 語りました。

 申し立てた佐藤さんは、派遣期間制限を逃れるために期限がくるといったん期間労働者にして再び派遣労働者に戻すという脱法行為が行われていたと指摘。

いすゞ自動車派遣会社の違法な解雇予告撤回、地位
確認の仮処分訴訟の提訴に向かう申立人
(前列マスク
の人とニット帽の人) =12月26日、横浜地方裁判所前

 「お金も住まいもなく仕事を奪われる。 このままでは寒空で年が越せない」 とのべました。


 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年12月27日付、   同党のホームページ

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      「まじめに5年半…」 いすゞ派遣の佐藤さんら思い語る

 いすゞ自動車藤沢工場(神奈川県藤沢市) で期間社員に続き、派遣社員が解雇撤回の裁判闘争に立ち上がりました。 12月26日、給与支払いの仮処分を横浜地裁に申し立て、「このままでは自殺しかない」 「ちゃんと生活保障をしてほしい」 と口々に訴えました。

 「まじめに働いていれば、いつか正社員になれると思って頑張ってきた」。 佐藤良則さん(49) は会見途中で涙がこみ上げ、言葉に詰まりました。

 北海道に家族を残し、派遣会社の募集に応じました。 いすゞ藤沢工場で働き始めたのは2003年4月。 それから5年半、派遣社員、期間工、派遣社員と形を変えて働き続けてきました。

 弁護団の高橋宏弁護士は 「いすゞと派遣会社が共謀し、脱法的行為で直接雇用を逃れようとした」 と指摘します。 派遣会社は佐藤さんの入社当初、偽装請負で働かせ、3年を超えた派遣期間が問題になると3カ月間だけ直接雇用の期間工にし、派遣社員に戻しました。

 熟練工になった佐藤さんは正社員を指導するようになり、いすゞの自動車生産を支えてきました。 しかし、最近の手取りは、寮費が引かれると月約12万円。 貯金もなく、仕送りもままならない状態。 「正社員になったら家族を呼び寄せて、一緒に暮らす」 という夢も裏切られました。

 「見てくださいよ。 これが現実です」 と、派遣社員の男性が財布をひっくり返して見せる場面も。 出てきたのは10玉4枚と1円玉13枚。 男性はいすゞの下請け会社の派遣社員でしたが、17日に解雇されました。

記者会見で訴える、派遣労働
者の佐藤良則さん  
=12月
26日、横浜市・横浜弁護士会館

 「あと5日で新年。 こんなときに放り出すなんてまともな会社のやることですか。 人を必要なときだけ集めておいて人生を狂わせた」 と語気を強めます。

 アパートの家賃どころか、就職活動の交通費も払えず、「このままでは首をくくるしかない」。 涙を流しながら、それでも自殺せずにいる理由を 「組合の人たちが、(死ぬのは) 待て、頑張ろうと励ましてくれたからだ」 と語りました。
 (本田祐典)

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年12月27日付

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