[職場だより]  2014年11月24日   成果主義賃金1
意欲と創造力を失わせた成果主義賃金制度

 「成果を上げれば賃金が上がる」という説明で、成果 主義賃金が導入されてから15年以上はたちました。結果 は、賃金は上がらず、メンタル障害(うつ病など)が増 えて、職場が荒廃しました。

 年度の初めに高い成果目標が決められ(目標管理シー トの作成)、半期(6ヶ月)ごとに目標に対する結果を、 点数で表す採点が行われます。普通に仕事をした場合の 点数は、最も低い点数になるようになっています。

 成果を出すというのは、普段でも無理な工程の製品開発 の納期を、短縮できたかが評価基準になるのです。最初から 無理な納期が決められているのですから、それをキープでき る労働者はいません。

 目標(納期)を達成するため、長時間労働がまん延しま した。家に帰らないで徹夜で仕事をする労働者が出ました。 1ヶ月の残業時間が200時間を超えた労働者もいました。

 上司は目標管理シートの点数を元に、評価分けします 1番良い評価から並べるとSランク、Aランク、Bランク となります。各ランクもさらに細分化されています。通常 はAランクになります。ランク付けの割合が決まっている ため、全員がSランクにはなれないのです。

 労働者は競争させられ、連帯が失われて行きました。 成果が上がる仕事、目立つ仕事だけをするようになりました。 データ整理、計測機器管理、お客さまからのクレーム対応 など、職場になくてはならない仕事は、地味なこともあり 低い評価になり、立場の弱い労働者や、人のよい労働者に 回されました。

 成果主義賃金制度が導入されるまでは、職場の同僚や 先輩と学び合い、技術の交流・向上を図るのがあたりまえ でした。上司と率直な意見交換をして、仕事が進められま した。
 また、そういう職場をつくるのが、みんなの願いでした。 働く人の意欲や創造力が発揮されて、仕事に打ち込めるよう になります。それは優れた技術、高い製造品質作りにつな がり、会社の発展につながります。

 次回から成果主義賃金制度によって引き起こされた、 さまざまな問題をレポートして行きます。

                  東芝の職場を明るくする会
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