申立人7名の「不当配転・差別争議の和解」について、
         「東芝の職場を明るくする会」 は下記の見解を発表しました。


  トップページへ        「差別是正のたたかい」へ         「行動レポート」 の頁へ

                                             2007年2月17日

    申立人7名の「不当配転・差別争議の和解」について

                          東 芝 の 職 場 を 明 る く す る 会
                         (人権を守り差別のない明るい職場をつくる東芝の会)

 東芝の職場を明るくする会は、1995年の第1次申立人10名による不当労働行為救済申立て、2003年からの9名による第2次申立、ならびに繰り返しおこなってきた差別是正社長申し入れ運動などの活動に取り組み、差別争議の早期解決と人権を守り差別のない明るい職場をつくるために活動してきました。

 しかしながら、2003年に第1次申立人10名の内7名は「東芝争議団」を名乗って別行動をとり、本年2月14日に会社との間で和解協定に調印しました。

 以下に、東芝の職場を明るくする会として見解を表明するものです。

 1. 申立人7名(東芝争議団)が、株式会社東芝との間で調印した協定書の骨子は、次の通りです。

(1)  申立人7名のこれまでの処遇及び配置などについて・・・全面和解する。
(2)
 4月1日付で、申立人3名を、東芝グループの京浜地区の事業所に異動する。
(3)  申立人7人の内、在職者の処遇の見直しについて、今後も、他の従業員と同様に会社の処遇制度に基づいて公正に取り扱い、実施する。
(4)  本件にかかる一切の和解金を支払う。


 2.  協定書を見る限り、これまで東芝が長期にわたっておこなってきた不当労働行為に対する謝罪や反省の意思はまったく示されていません。 新聞報道によれば、いずれも 「諸事情を総合的に勘案し和解した。 会社として非を認める和解ではない」 という東芝のコメントが伝えられています。

 3.  このような東芝の態度は、決して許されるものではありません。 なぜなら、東芝は、1960年代から現在まで、各工場で公安警察出身者を多数雇い入れて秘密組織 「東芝扇会、現在は自己啓発の会」 を育成・活用し、管理職に対する差別的な研修をおこない、自主的に組合活動に取り組んできた申立人と申立人らのグループに属する労働者を 「問題者名簿」 に登載して差別してきたのであり、これらの事実が、3度の労働委員会命令で厳しく断罪されているからです。

 4.  協定書では、処遇の見直しについては 「今後も、他の従業員と同様に・・・」 とされ、これまで東芝がおこなってきた労使協定の限度を超えるような賃金差別、資格昇格や仕事給職群・等級の差別、一切の役職への登用拒否など不当な差別扱いに対する償いと是正については明記されていません。

 5.  協定書に記載されていませんが、共に組合活動をおこない同様に差別を受けてきた申立外の労働者に対する差別の償いと是正についても、東芝には大きな責任があります。 これは、本年1月19日に、東芝が役員を派遣し緊密な関係にある石播重工(IHI) で、裁判によらずに168名の労働者に対する過去40年間の思想差別、組合活動差別、男女差別を是正し償いをおこない、再発防止協定を結んで解決したことからみても当然のことです。 東芝は、法令を順守しCSRを実践すべきです。

 6.  東芝の職場を明るくする会では、12名の申立人 (1次:3名、2次:9名) を含む全国各地の職場で活動してきた多くの労働者が力を合わせて差別をなくす運動をすすめ、全労連と地方労連、電機懇、学者文化人の支援を結集した東芝争議支援共闘会議に団結して、全面一括解決をめざすたたかいをすすめています。

 7.  東芝の職場を明るくする会は、既に約100名の労働者の差別是正要求を会社に提出し、申立外の在籍者および退職者を含む差別の是正と償いを会社に求めています。
 一日も早く差別争議を解決し明るい職場を実現するために奮闘するものです。
 引き続き、皆様のご理解とご支援をお願い致します。

                                                (以上)



  トップページへ      「差別是正のたたかい」へ       「行動レポート」 の頁へ      この頁のトップへ