| “ 労 働 審 判 制 度 ” トラブル解決へ、新しくできます! 2006年4月スタートめざし準備中!! |
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近年、企業による強引なリストラの横行で、解雇や賃下げなど労働者の生活が脅かされる事例が多発しています。 厚生労働省の都道府県労働局に寄せられる労働相談は、2003年度1年間で73万4千件にのぼっています。 (下のグラフを参照 … 年ごとに急増しています)
東京労働局に2004年度上半期 (04年4月1日から9月30日) に寄せられた個別労働紛争相談は7,647件、あっせん申請受理数は395件ですが、同時期に打ち切りになったのは半数を超える220件にのぼっています。 残るのは、法律にもとづいて 「白黒をつける」 民事訴訟を起こす方法ですが、これだと費用も時間もかかります。 民事訴訟だと時間も費用もこの違いは、ドイツ、イギリス、フランスなどヨーロッパ各国には、個別の労働紛争を専門に扱う裁判制度があるのにたいし、日本ではそれがないからです。 自由法曹団事務局次長の今村幸次郎弁護士は、「民事訴訟だと費用と労力、時間がかかり、労働者にとって高いハードルになっている」 と指摘します。 *** 裁判官と審判員で短期に解決 ***新しくスタートする労働審判制度は、行政機関によるあっせん制度とは違い、裁判所の管轄のもとで労働者の訴えを短期に解決することをめざしています。 ことし4月に国会で成立した 「労働審判法」 では、職業裁判官(労働審判官)1人と、労働者側、使用者側が推薦する1人ずつの労働審判員の3人で労働審判委員会を構成し、事件の内容に即した解決案を決定します。 委員会は、全国50ヵ所の地方裁判所の本庁におかれます。 原則として 「3回以内」 で審理を終え、長くても、3、4ケ月くらいと想定されています。 訴えやすく速く決着がつくというのがこの制度の特徴。解雇、雇い止め、配転、出向、賃金・退職金不払いなど、事実関係が明確な事件に有効です。アルバイトやパートも申し立てることができます。 審判の決定は、2週間以内に当事者が異議を申し立てなければ確定します。したがわない場合は強制執行をすることができます。都道府県労働局のあっせんとは大きく異なる点です。 現在、最高裁で申立書などはできるだけ簡単なものにし、申立費用も労働者の負担にならないよう制度の規則作成にむけての検討がすすめられています。
審判の流れは … (上の図を参考に) (1) 申し立て 労働者と使用者との間に生じた紛争について、個々の労働者あるいは使用者が申し立てることができます。当事者の一方の申し立てによって審理が開始されます。 (2) 審理から調停へ 手続きの指揮は職業裁判官である労働審判官がおこない、審理は3回以内。その間に調停(和解)が成立すれば、決定を出さずに終了します。調停は、裁判上の和解と同様、強制力をもっています。 (3) 労働審判での解決 審理にもとづき、審判を決定します。審判は、法律上の権利・義務関係をふまえた事件の解決案です。二週間以内に当事者の一方または双方から異議の申し立てがなければ確定します。 (4) 訴訟への移行 出された審判に当事者が異議を申し立てた場合、地方裁判所での通常の裁判手続きに移行します。最初に労働審判に申し立てた書面が裁判訴状とみなされます。 事件が複雑で争点が多いなど、3回の審理で終了する労働審判になじまず、裁判でおこなうことが妥当と労働審判委員会が判断した場合は、労働審判を出さずに終了し、訴訟に移行します。 |
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*** 今後の課題は *** 労働審判制度は、新しい制度だけに、課題もいろいろ指摘されています。労働審判員は、全国で労働側、使用者側それぞれ500人ずつ、あわせて1,000人の選出が見込まれています。 労働側の推薦する500人の労働審判員は、労働団体が推薦します。連合枠434人、全労連枠51人、全労協その他15人の枠で人選がすすんでいます。ふさわしい経験と見識のある人を推薦し、十分な研修がおこなわれる必要があります。 そして、「どれだけ多くの労働者がこの制度を利用し、審判が信頼されるか、審判の結果が当事者から尊重されるようになるかが重要です」と今村弁護士は話しています。 労働審判法がことし4月に国会で成立したとき、付帯決議が付けられ、将来、必要があれば、「訴訟手続きに労使関係の専門家が参画する労働参審制に関し、導入の当否について検討すること」
とのべています。 労働審判制は、裁判所のもとに設置した委員会が解決にあたる裁判外の手続きですが、この制度を発展させ、ヨーロッパのように労使の専門家が裁判官として参加する労働参審制の実現が展望されています。 |
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出典:日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2004年11月28日(日)付、同党のホームページ 「ここが知りたい特集 労働審判制度」 トップページへ トピックスの目次の頁へ この頁のトップへ |