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トップページへ トピックスの目次の頁へ 「労働審判制度」 って知っていますか? 2006年4月1日からスタートする日本で初めての裁判手続きです。 働く現場では、突然の解雇や雇い止め、賃金・退職金の未払いという無法が横行しています。 こうした労働者個人と事業主による争いの迅速な解決を目的にしています。
◆ 強制力をもつ 労働審判は、裁判の判決と同じ効力をもちます。 相手が従わないときには、強制執行できます。 2週間以内に異議の申し立てがあった場合、審判は失効し、争いは自動的に通常の訴訟に移行します。 そのさいにも労働審判の結論がだされる可能性が高いと考えられています。 この仕組みによって労働審判の受け入れを当事者に促すと日本労働弁護団は見ています。(『労働審判実践マニュアル』) ◆ パート・派遣も どんな争いが対象になるのでしょうか。 労働審判法第一条は、「個々の労働者と事業主の間に生じた民事に関する紛争」 と規定しています。 個々の労働者と事業主との争いを対象とし、労働組合と事業者、公務員と国・自治体との争いは除外されます。 解雇、雇い止め、賃金・退職金未払いをはじめ、労資間で通常問題になる争いを申し立てることができます。 パートやアルバイト、派遣という身分が不安定な働き方をしている労働者も当然、申し立てることができます。 労働審判は、3回の期日で解決することを目的にしており、この期日で証拠調べができない複雑な争いなどは途中で手続きが終了させられます。 トップページへ トピックスの目次の頁へ この頁のトップへ 急増する紛争 ◆ 非正規雇用ふえて 大企業のリストラ、小泉内閣のすすめる規制緩和によって、パート、派遣、個人請負という働き方が急増しています。 それにともない職場は違法状態が横行し、突然の解雇、雇い止めをはじめ、個別の労働紛争が多発しています。 非正規の労働者の多くが労働組合に未加入です。 厚生労働省のまとめによると、都道府県におかれている労働局に寄せられた労働相談は82万3千件 (2004年度) に達しています。 このうち個別労働紛争は16万件を超えています。 内訳は、解雇にかんする相談がトップで27.1%、ついで労働条件の引き下げが16%となっています。 このほか全労連に、1万を超える労働相談が寄せられています。 表面にあらわれないものを含めると膨大な争いがおきていることがわかります。 労働審判制度は、多発する個別の労資紛争を迅速、公正に解決する手続きとなるよう期待されています。 ◆ 金銭解決で問題も 問題点も浮上しています。 『判例タイムズ』(1194号) が企画した座談会で東京地裁の判事は、解雇が無効と判断され、労働者本人が職場復帰をのぞんでいる場合にも、金銭補償による審判をだせるとの見解を示しました。 解雇問題の金銭解決は、日本経団連などが要求し、労働者から 「金を払えば解雇してもいい … 金で解雇を買う制度だ」 と批判をあびてきました。 労働審判法第20条1項は、「当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う」 と規定しています。 日本労働弁護団は、この点を指摘し、解雇が無効と判断され、労働者が金銭解決を求めていない場合、金銭解決の審判を出すことは 「審判手続の経過を踏まえて」 おらず、「出せないものと解される」 としています。(『労働審判実践マニュアル』) また、許可代理人(弁護士でない人)、傍聴を認めるかどうかの問題も残されています。 労働審判員に任命された人たちは、労基法などにもとづき公正、中立を貫き、労働者にとって使いやすい制度にしようと研修を重ねています。 トップページへ トピックスの目次の頁へ この頁のトップへ |
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労働審判制度では、審判はどのようにすすむのでしょうか。 |
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(出典) 日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2006年3月12日(日)付、 同党のホームページ 「ここが知りたい特集」 トップページへ トピックスの目次の頁へ この頁のトップへ |