|
||
---|---|---|
トップページへ トピックスの目次の頁へ |
「山田洋行ほどありがたい会社はない」 航空自衛隊元幹部の男性は 「こんなこと言えば怒られるだろうが…」 と、言葉を選びながらいいます。 「OBの再就職に協力してくれるところは、いい会社だ。 防衛省はいくらお歳暮(お礼) をはずんでも足りない」
受け入れに対応して企業の受注を決めていた事例に、06年1月に発覚した防衛施設庁談合事件があります。 東京地裁の有罪判決 (06年7月) では 「天下り先を数多く確保するために、防衛施設庁が談合を主導」 としています。 (東京高裁も支持、判決確定) さらに、再就職の中身を具体的にみると癒着のひどさが浮かび上がってきます。 離職時の任務と直接利害関係のある企業に天下っているケースが広範にあるのです。 次期輸送機CXなど、装備を研究開発している防衛省技術研究本部 (技本) はその最たるものです。 契約額上位3社でみても05年度、航空機担当の技術開発官がCX本体の生産を受注した川崎重工業に天下ったのをはじめ、同技術開発官 (船舶担当) が三菱重工業に、技本第一研究所長が三菱電機に再就職しました。 すべて防衛省のあっせん・仲介によるものです。 組織的な天下りが行われる一方、競争が成り立たず、高値の調達がまかり通っています。 ■ 落札率 1 その象徴が 「落札率1の案件」 と呼ばれるものです。 「落札率1」 とは、防衛省側が設定した予定価格に対して同額で落札すること。 05年度、地方、施設庁分を除く中央調達 (装備品等) で483件ありました。 02年度では1,060件 (中央調達の37%) にも。 防衛庁 (当時) は、この問題を調査した報告書 (04年7月) で、「共通的な課題等」 の一つとして 「形骸(けいがい)化した競争になっていないか」 と自ら述べています。 平均落札率も装備品調達は航空機97.36%、船舶95.36%、車両95.03% (05年度) と、きわめて高いのが実態です。 そもそも入札を行う契約自体が少なく、随意契約が約9割 (01〜06年、中央調達分) を占めてきました。 施設庁談合と同様に国民の税金が浪費されているのではないか――。 「(三菱重工の) F2支援戦闘機はそりゃあ高いと思う。 ベースになっているアメリカのF16戦闘機は1機約50億円なのに、改造型とはいえ約120億円ですから」 前述の空自元幹部は、高額な装備品の実態を示して言います。 「企業にとって再就職協力 (天下り受け入れ) の人件費なんてものは、事実上の営業経費ですよ」 |
出典: 日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2007年12月6日付 トップページへ トピックスの目次の頁へ この頁のトップへ |