トピックス          2007.9.22-23

  電機懇第20回総会開催
  長時間・過密労働の是正、非正規労働者、
    
健康問題改善などの活動方針を決定!
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 電機メーカーの労働者の生活と権利を守る運動をしている電機労働者懇談会 (略称:電機懇) は9月22、23の両日、第20回総会を静岡県内で開きました。


電機懇の総会で報告する谷口事務局長
=9月22日、熱海市
  国際的競争で労働強化

     最低賃金引き上げを要求


 活動報告と方針を提案した谷口利男事務局長は、電機各社が市場支配をめざして国際的な開発・価格競争を繰り広げており、しわ寄せが正規労働者の長時間過密労働やメンタルヘルスの悪化を招き、非正規労働者には低賃金などが押し付けられ、矛盾を広げていることを解明しました。

 今春闘は、全労働者の賃上げとならない面もあったが、非正規労働者の賃金底上げでたたかいの前進がみられたと指摘。

 全国一律最低賃金の実現や、「誰でも時給1,000円以上に」 の要求を掲げて、職場から声をあげていくことが重要になっていると呼びかけました。

 来春闘に向けたアンケート活動や長時間・過密労働の是正、健康問題の実態調査などの運動方針を提案しました。

  収益至上で矛盾拡大!   職場実態を告発!!

 討論では、安全軽視、非正規雇用の増大や企業再編など電機各社の収益至上主義路線が労働者・国民との矛盾を広げていることが語られました。

 日立ビルシステムの労働者は、エレベーターのロープを交換基準を超えるまで使い続けていたために損傷が多発して社会問題になり、基準前に交換するように是正せざるをえなくなったことを報告。 「保守体制の充実を会社に求めるなど、誰もが安心して乗れるエレベーターになるよう運動していく」 とのべました。

 他社から買収したハードディスク部門が赤字のため中国に集約されることになり、労働者にツケが押し付けられようとしていると告発したのは、日立の労働者。 神奈川県小田原工場では労働者にリストラの不安が高まっており、門前ビラを配るなど雇用を守る運動を広げていると報告しました。

 三菱電機の労働者は、会社が収益向上をめざして京都製作所の労働者を静岡や千葉などに強制的に配転しようとしていることを批判。 「定年直前の労働者を対象としたことは、事実上の中高年リストラだ」 とのべ、雇用破壊を許さない運動にとりくんでいるとのべました。

 非正規労働者の雇用を守る活動も各職場で広がっています。
 偽装請負を告発し松下プラズマディスプレイから解雇された吉岡力さんは、「偽装請負は社会全体の問題。 まじめに働く人が希望を持てる社会を実現するため、高裁で逆転勝利を目指してがんばる」 と表明しました。

 また、ある大企業の関連会社で有期雇用で働いていた男性派遣労働者は、「雇い止めされることになって会社と交渉したところ、解決金を支払わせることができた」 と報告し、非正規労働者の要求を集めて職場から声をあげていくことが重要だとのべました。

 沖電気の労働者は、定年後の雇用継続を勝ち取った運動を報告。 同時に、「定年前に比べ賃金が大幅に下がり、産業別最低賃金以下だ」 とのべ、せめて定年時の賃金にさせることが必要だとのべました。

 昇給・昇格差別の是正を求めてたたかっている 「東芝の職場を明るくする会」 の石川要二郎さんは、「争議が解決すれば、職場全体に影響を与える。 今後、三多摩地域からも新たに労働委員会への申し立てを行い、たたかいを広げていく」 と決意をのべました。

 「電機九条の会」 の労働者は、「東芝・NECをはじめ軍需産業の労働者は、業務命令でも戦地に行きたくはないという思いで活動している」 と報告。

 最後に、今後1年間の活動方針と新役員を決定・選出しました。

 総会では、国学院大学経済学部の小越洋之助教授が記念講演。 全労連の生熊茂実副議長、日本共産党の米沢幸悦労働局次長が来賓あいさつをしました。

 選出された役員は次の通り。(敬称略)
  代表 今井節生(新、東芝)
  事務局長 谷口利男(再、日立)

                                 (文責・要約: 東芝の職場を明るくする会)

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2007年9月23日、24日付    【参照】 電機懇のホームページ

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