トピックス     2008.12

   マツダ年内 1,400人!
    
     脱法続け 雇い止めとは!!

  撤回 “派遣” 立つ! 労組への加入広がる!!
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 自動車メーカーのマツダ (本社・広島県府中町) は派遣社員1,400人を年末までに順次、雇い止めしようとしています。

マツダの本社がある広島県府中町、防府工場がある山口県防府市の地図  「いまも不動産屋を3軒ほど回ってきたけど全然だめ。 このままホームレスになるのかと夜も眠れない」。 防府工場 (山口県防府市) を11月で雇い止めされた50代のAさんが憔埣(しょうすい) した顔つきで語ります。

  立ち退き迫る

 防府工場では800人の派遣社員のうち500人を削減。 さらに来年1月に200人の雇い止めを検討しています。 派遣会社は借り上げアパートを解約し、Aさんも立ち退きを迫られています。

 寮費や光熱費を引くと、手元に残るのは10万から15万円。 ボーナスもないため、蓄えもなく、借りられる物件もないといいます。


マツダの派遣切り問題で早朝宣伝する(左から)
松本稔マツダ党委員長、中原ひとみ広島市議、
藤本さとし氏ら
     =12月5日、広島県府中町
 独身のAさんは昨年10月から働いています。 マツダは違法な採用面接を行い、派遣会社とわずか1カ月ごとの違法・脱法行為の契約更新を繰り返してきました。

 「人員整理なのに、離職票は 『満期終了』 とあるだけ。 こんなに簡単に切られるのは納得できんですよ」

 本社工場(府中町、広島市) では、派遣社員1,000人のうち800人を削減。

 「長期で働けるときいてでてきた。 もはやホームレス予備軍」 と今月(12月)26日での雇い止めを言い渡された沖縄県出身のBさんが語気を強めます。 働いてわずか4カ月。 「帰るに帰れない。 ポートで帰れというのか」。 雇用期間が短いため、失業保険ももらえないといいます。

 派遣社員は勤務を C、B、A、Sなどに評価され、時給(契約時、1,000円) に差がつきます。 S評価は、派遣会社でなくマツダの職長が判定し、職長はマツダの正社員になるための中途採用試験の推薦もします。 そのため正社員になろうと自主的に早出出勤をする派遣社員もいるほどです。

  直接雇用こそ

 「3年以上働いているのだから、直接雇用しなければならないはずだ」 と憤るのは今月(12月)5日で雇い止めされた40代のCさん。 労働者派遣法では3年以上、派遣労働者を同一業務に就かせれば、直接雇用の申し込み義務が生じます。 しかし、Cさんは3年2カ月、同じ仕事をしてきましたが、3カ月間だけ 「サポート社員」 と呼ばれる直接雇用の期間社員にされ、またすぐ派遣社員に戻されています。

 3カ月以上、派遣を受け入れない期間(クーリング期間) があれば、継続した派遣とみなさないという厚労省の指針があります。 マツダは、派遣労働者を使い続けるために、これを悪用し、派遣社員をラインなどのグループごとに順次、サポート社員にし、また派遣社員に戻してきました。

 マツダは2001年にも大規模なリストラをおこない、正社員2,200人を退職させました。 正社員から派遣社員に切り替え、大もうけ (内部留保4,300億円) をあげてきました。 今年度も減益とはいえ、バブル期を上回る500億円の利益を見込んでいます。

 日本共産党は、雇い止め通告が始まった直後の11月10日、中林よし子氏、仁比聡平、山下芳生両参院議員、辻恒雄広島県議らがマツダ本社を訪れ、雇い止め撤回を求めました。 「雇い止め・下請け110番」 を開設し、労働局への「申告」などの相談に応じてきました。 県や市にも連続して要請。

 11月30日には、マツダ党委員会主催のつどいで、中林氏、仁比議員らが派遣労働者と懇談。 直接雇用の義務を果たさせるよう、2度にわたって労働局に指導を要請しています。


 日本共産党の防府市議団は、市長に対応を要請するとともに、市営住宅の提供などを求めています。
 
  労組加入して

マツダの派遣社員と共産党の中林よし子氏(中央)
仁比聡平参院議員
(その右) らがテーブルを囲んで
開かれたつどい
         =11月30日、広島市

 県民の運動も広がっています。 広島県労連などでつくる 「許すな雇用破壊! 守れ地域経済! 県民運動実行委員会」 は下請け・関連企業への影響調査を行い、12月12日には、緊急集会とデモ行進をしました。

 こうしたなか派遣労働者の地域労組ひろしまへの加入が広がっています。 新組合員のDさんは5日で雇い止めを通告されていましたが、地域労組、県労連とともに派遣会社に対し、雇い止めの撤回などを求めて団体交渉しました。 マツダは交渉にも応じません。

 マツダで4年4カ月働いてきたDさん。 有期雇用でも繰り返し更新されれば、期間の定めのない契約と変わらないとされていることや派遣先が勤務評価までやってきたことをただすと、会社側は回答できなくなり、交渉継続となっています。

 Dさんはいいます。 「3年たったら正社員 (直接雇用) にすべきやのに、脱法行為を繰り返して減産になったから切りますなんて、マツダのそんなやり方が許されてたまるか」  
(内野健太郎)

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年12月14日付

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