トピックス     2008.12

  キヤノン「非正規切り」 の一方 …
 
          1年間で剰余金2,800億円増!
         
   = 正社員 7万人分!!
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 大もうけし、1年間に増やした “余った金” (剰余金) だけで7万人の正社員の年収分もあるのに、財界トップ企業が 「非正規社員切り」 の先頭に立つなんて― 。 日本経団連会長を務める御手洗冨士夫氏が会長のキヤノングループの派遣・請負社員の解雇に怒りが広がっています。 御手洗会長は麻生太郎首相に 「(経団連として) 雇用の安定に努力する」 (12月1日) と約束したばかりでした。

 キヤノンの100%子会社である大分キヤノンと大分キヤノンマテリアル (いずれも大分県) あわせて約1,200人の派遣・請負の非正規社員の解雇が計画されています。 同じく100%子会社のキヤノンプレシジョン (青森県) では約500人の 「非正規切り」。

 非正規社員は時給1,000円、1日8時間、月21日勤務として計算すると年収200万円余 (残業代含まず) です。

 非正規社員約1,700人の雇用を維持するには約34億円で可能です。 また、生産現場での正社員の年収は長浜キヤノン (滋賀県)で約400万円程度(40歳代) です。 これをもとに計算すると、非正規社員約1,700人の正社員化も約68億円程度でできます。

 一方、キヤノンは7〜9月期決算でみると、社内にため込んだ剰余金は9月末で3兆3000億円を超えます。 この1年間に増やした分だけで約2,800億円です。 非正規社員14万人の年収分、生産現場の正社員7万人の年収分に匹敵します。


 約1,700人の非正規社員の雇用維持に必要な額は、剰余金の1年の増加分のわずか1.2%にすぎません。 正社員化にも2.4%で足ります。

 また、キヤノンは「減益」だとしていますが、1〜12月の1年間で5,800億円もの営業利益(連結) を見込んでおり、雇用を維持する十分な体力があります。
キヤノンのためこみ利益の推移(年別の比較=ク゜ラフ)

 また、株主への中間配当 (8月、1株当たり55円) だけで約715億円にのぼります。 非正規社員約1,700人の雇用維持に必要な額は、その5%にもなりません。

 麻生首相は雇用の維持を経団連にも 「要請」 したとしています。 しかし、「 “要請”では足りない。 政府として厳しい指導と監督によって (解雇計画を) やめさせなくてはならない」 (日本共産党の志位和夫委員長、12月5日の麻生首相との党首会談) ことが、ますます明らかになっています。


  剰余金

 利益剰余金と資本剰余金のこと。 いずれも、企業のもうけをため込む内部留保の一部です。 利益剰余金は、企業が得た利益による剰余金で、社外に分配せず、社内にため込んだものです。 積立金や繰越利益などで構成されます。 資本剰余金は、新株発行など資本取引によって発生した剰余金のことです。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年12月7日付、     同党のホームページ

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