トピックス     2008.11

    酷使して大もうけ! なのに…
   
      大企業 「派遣切り」!!

          マツダ・日産・キヤノン … 各地で強行!
  トップページへ       <トピックスの目次の頁へ>
                                         【 「減益」いうが、大企業は大もうけ 】 ジャンプ
                                         【 日産自動車… 派遣社員780人解雇方針 】 ジャンプ

 「派遣切り」 と呼ばれる派遣労働者らの雇い止め(解雇) が大企業を中心に広がっています。 派遣労働者らを使って空前の大もうけをあげながら、減益になると真っ先に切り捨てるやり方に対して、「労働者の使い捨ては許されない。 社会的責任を果たせ」 との声が上がっています。

 「10月10日に契約解除を命じられ、10月末に解雇。 会社からは再就職先を紹介できるところはないといわれるし、ショックです」

 青森県弘前市。 コピー機部品をつくるキヤノン中核企業のキヤノンプレシジョンで働く請負労働者の男性が不安を漏らしました。

 同社では労働者4,800人のうち、非正規雇用が3,400人。 約240人の派遣・請負労働者らが10月末で職場を追われたと報じられています。 新工場稼働前の07年には市長を先頭に人手確保に奔走しましたが、1年もたたずに雇用喪失に襲われています。

 広島市にあるマツダの宇品工場。 単身赴任の派遣労働者は、年内で契約打ち切りを通告されました。 「残業もなくなり、家族への仕送りも減っていたけど仕事がなくなるなんて。 会社からは仕事はないといわれ、田舎に帰っても仕事はないし、どうしたらいいのか」

 派遣労働者らは退職金もなく、雇用保険に入っていないため失業手当も受けられないケースが多く、会社の寮などに住んでいる場合は住まいも失うことになります。

 愛知県や福岡県など製造業の生産拠点が集中する地域では、中小部品メーカーへの発注が激減し、地元経済を直撃しています。

 輸出減などを理由に各企業はいっせいに人員削減に乗り出しています。 (右の表参照)

 自動車ではトヨタグループでトヨタ自動車九州、デンソー、豊田自動織機などが派遣労働者らを削減。 トヨタ自動車も来年3月末までに期間労働者5,800人を削減します。 日産自動車、スズキ、マツダなども相次いで派遣労働者らの削減を打ち出しています。

 正規労働者に対しても早期退職募集などで削減をすすめており、沖電気は 「余剰感が生じた」 として中高年の管理職300人を削減します。

 各社とも減益を強調しますが、それでもトヨタ自動車は連結で6,000億円の営業利益を見込むなど大もうけぶりは変わりません。
各企業の人員削減計画 (2008年、実施済み含む)

 しかし、企業側は 「雇用は派遣や請負会社の問題」 (キヤノン) といって社会的責任を果たそうという姿勢はみられません。



    国民的たたかい … 共産党が呼びかけ

 日本共産党は、大企業に雇用を守る責任を果たさせるために国民的なたたかいを呼びかけています。 全労連・春闘共闘は「大企業に社会的責任の履行を迫る」 (春闘構想) として取り組みをすすめています。

  トヨタは 5,800人計画

 トヨタ自動車の木下光男副社長は、11月6日の2008年9月中間決算発表の記者会見で、期間従業員について 「来年3月末には3,000人前後になるのではないか」 とのべ、大幅な削減計画を明らかにしました。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年11月7日付、     同党のホームページ

  トップページへ           <トピックスの目次の頁へ>                              この頁のトップへ

 
         「減益」いうが 大もうけ!

           大企業の解雇は不当!!

 トヨタ自動車や日産自動車などは、利益が減ることを理由に 「派遣切り」 などの大リストラを強行しようとしています。しかし、あくまで 「減益」 であり、依然として大もうけしているのに、人減らし・リストラをすることは道理がありません。

バブル期を超える自動車産業の経常利益 (資本金10億円以上の企業=年度別の推移をあらわす棒グラフ)  トヨタは2008年度の通期(09年3月期) で6,000億円もの営業利益をあげる見通しです。 前年度より減益ですが、依然として高利益です。

 日産も、アジアなどで販売を増やし、08年度上期に、前年同期よりも9万台多い190万台を売り上げました。08年度上期だけで1,916億円の営業利益をあげています。 通期の営業利益見通しは2,700億円にのぼります。

 もともと自動車産業や電機産業などは、非正規雇用を利用することで、人件費を抑制し、空前のもうけをあげてきました。

 減益のつけを非正規雇用の労働者や下請けにおしつけるべきではありません。

 財務省の法人企業統計調査によると、自動車産業の大企業 (資本金10億円以上) の経常利益は、2007年度末(2008年3月) に、3兆6637億円にも達しています。 これは、バブル経済期の最高である1990年度の1兆5485億円の約2.4倍ものもうけです。

 キヤノンなど精密機械産業 (同10億円以上) では、07年度末の経常利益は1兆368億円。 90年度の2,590億円の4倍です。

 こうしたもうけのためこみの一部である内部留保は、自動車産業で1兆5776億円、精密機械産業で5,218億円にのぼります。
 (吉川方人)

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年11月7日付

  トップページへ           <トピックスの目次の頁へ>                              この頁のトップへ

 
        日産自動車 … 派遣社員780人解雇方針!
      “異動か首切りか 毎日不安です”

 日産自動車は10月末、栃木 (栃木県上三川町)、九州 (福岡県苅田=かんだ=町) 両工場で11月中に、派遣労働者780人を雇い止め (解雇) すると発表しました。 「人々の生活を豊かに」 とのビジョンを掲げる一方で、派遣労働者を真っ先に切り捨てようとしています。 九州工場で働く人たちの胸中は―― 。 (竹原東吾)

 福岡・苅田 九州工場では …

 「異動か、首切りか…。 毎日が不安だ」。 言葉少なに話すのは、2年近く派遣社員として働いてきた30代のXさん。 時給は1,000円、月の手取りは17万円程度だと話します。 勤務は、朝6時半から午後3時まで (A班) と、午後4時5分から翌午前零時35分まで (B班) の2交代制です。

 しかし―― 。

 「北米向けの台数が減る」 と告げられた10月最後の週から、AB班ともに2時間半程度ずつ労働時間が短縮されたと説明します。

 Xさんは雇い止めの通告を受けても、「残してほしい」 と願い出るつもりだといいます。

日産自動車九州工場=福岡県苅田町
 「クビになっても年齢的にほかの仕事があるのか…。 働けるだけ働いていたい」

 九州工場の敷地面積は約240万平方メートル。 日産最大の生産能力を誇ります。 外周はフェンス越しにうっそうとした樹木におおわれ、端から端へ歩くのにも、ゆうに10分以上かかります。


 専用ふ頭も併設され、アメリカなどに向け、自動車を輸出しています。 従業員は4,540人 (2007年3月末現在)。 派遣労働者が何人いるかは、「公表していません」 (広報担当)。

 日産は07年度も4,823億円の純利益を上げています。 6期連続で連結純利益を更新するなど大もうけしています。
日産自動車九州工場の場所 (地図)

  「何人対象か好評せず」

 同社広報担当によれば、今回の雇い止めは、北米向けの需要が減少し、「20万台以上の減産」 にともなう措置です。


日産九州工場に併設するふ頭に停泊し、車
を積み込む専用船
=11月4日、福岡県苅田町
 11月末までに2,000人いる派遣社員のうち、780人が雇い止めになります。 両工場で何人ずつが対象にされるのか、「公表していない」 と話します。

 さらに、広報担当は雇い止めされた派遣社員の今後について、「把握していない。 派遣会社で対応していただく」 などとしています。

 取材に応じた40代の正社員は、「派遣の人たちは20代から30代のずいぶん若い人たちが多い。 仕事をしたいのに、場がないのは本当にかわいそうだ」 と話します。 「自分も含め、日本全体の将来が心配だ」 と表情を曇らせます。

 「不安ですよ…」。 工場北門から駐車場に向かって歩いていた50代の派遣労働者に聞くと、「3人の同僚が10月末、『あすから来なくてもいい』 ど通告を受けた」 といいます。

 そのうち1人はまだ、小学生と中学生がいる男性だと話します。 「子どもが小さい人はせっぱつまっている。 国 (の雇用政策) を変えていかないと。 このままでは、子や孫の時代に大変なことになる」

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年11月7日付

  トップページへ           <トピックスの目次の頁へ>                              この頁のトップへ