トピックス        2006.9 & 10

    サービス残業代 233億円 支払い !

  年収300万円以下 急増
              …
185万人!!  − 2005年度
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     サービス残業代233億円支払い          年収300万円以下が急増

 
 サービス残業是正:
         1524社で
233億円支払い !
          (厚生労働省が調査・発表)


 厚生労働省は10月2日、過労死や過重労働の温床となっているサービス残業 (ただ働き) について、2005年度の調査結果を発表しました。

 労働基準監督署から是正指導を受け、100万円以上の残業代を支払った企業は 1,524社、総額は232億9,500万円 にのぼり、いずれも前年度より増加しました。 (右のグラフ参照)

 対象労働者は 16万7,958人でした (前年度比1,150人減)。


 企業数は調査を開始した2001年度以来最高。 労働者の告発や日本共産党の追及を反映すると同時に、サービス残業の実態も 「高水準のまま」 (同省労働基準局監督課) となっていることが浮き彫りになりました。
サービス残業是正の推移 (100万円以上の支払い。企業数、支払額)

 1社平均の支払い額は 1,529万円、労働者1人あたり 14万円。

 5社に1社は 1,000万円以上を支払っており、最高額は22億9,700万円 (製造業)。
 次いで21億4,000万円 (金融・広告業)、8億2,496万円 (建設業) となっています。

 日本共産党や労働者の追及を受けて労働時間の厳格な把握を企業に課した同省通達 (2001年度) 以降では累計で、5,161社、対象労働者 66万7,000人、支払い総額 851億6,000万円 にのぼっています。


 【解説】  実態はまだ高水準!! 監督の強化必要!!

 サービス残業は、割増賃金支払い義務を課した労基法に違反する、れっきとした企業犯罪です。

 サービス残業をなくせば 160万人の雇用が創出できるという試算もあります。
 非正規雇用の増大に歯止めをかけ、健康をむしばむ長時間労働をなくすためにも監督指導の強化が求められます。

 ところが、労働基準監督官の数が少なく、監督官が毎日1ヵ所に行っても全事業所を回るのに数年もかかる状態です。

 厚労省が裁量労働制といういくら働いても残業代を払わずにすむ制度を広げてきたことも温床になっています。 さらにホワイトカラー (事務系) 労働者を労働時間の法規制から外す制度 (自律的労働時間制度) を審議会に提案しています。 ただ働きと過労死をいっそう深刻にするものです。

 ホワイトカラーの適用除外は、財界の意向を受けたものです。 サービス残業の是正指導を受けた財界は 「国際競争力の維持・強化の阻害要因となりかねない」 (日本経団連経営労働政策委員会報告2005年版) として、年収400万円以上の労働者を労働時間の規制から外すよう求めてきました。

 財界の横暴を許さず、労働時間の規制緩和に反対するたたかいが重要になっています。



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  年収300万円以下 急増
                 …185万人!!

      … 5年間で … (国税庁が調査・発表)

 小泉内閣が進めてきた 「構造改革」 のもと、年収300万円を超える給与所得者が減り、年収300万円以下の給与所得者が急増していることが、分かりました。

 国税庁がまとめた民間給与実態統計調査の結果 (9月28日公表) をもとに、小泉内閣が発足 (2001年4月) する前の 2000年と 2005年を比較しました。

給与階級別の給与所得者数の推移 (1年を通じて勤務した給与所得者)と、2000年と比べた2005年の増減

 それによると、1年間を通じて勤務した給与所得者は、全体で約4,000人減少し、4,493万6,000人となりました。 このうち、1年間に得た平均給与が300万円超 2,000万円以下の給与所得者は、188万4,000人減少し、300万円以下の給与所得者が、184万8,000人増加しました。

 一方、2,000万円以上の給与所得者は 3万2,000人増加しています。 (上のグフ参照)

 低所得層が増加し格差が拡大した背景として、パートなどの非正規社員が増加したことや、企業のリストラ・「合理化」 によって低所得化が進んだことが考えられます。

  
安倍首相… 格差拡大を当然視

 安倍晋三首相は、「競争がおこなわれれば、勝つ人と負ける人が出る。 構造改革が進んだ結果、格差があらわれてきたのは、ある意味で自然なこと」 (自著 『美しい国へ』 ) と格差の拡大を当然視しています。

 安倍政権が示す 「再チャレンジ」 政策にも、格差と貧困の広がりをつくりだしてきた働くルールの破壊への反省や転換策はありません。


 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2006年10月3日付、  同党のホームページ

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