2005.12.6
神奈川県労働委員会における審問「傍聴記」

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2005.12.6 : 神労委第7回:調査…会社の証拠に“疑問”

 この日の審問・調査では、会社が、技能職の役職登用差別を否定しようとして、「技能職で役職に就いている人はほんの一部である」 とする新たな書証を出しましたが、人数を明記せず割合(%)だけでした。

 ところが、それは審査委員長(公益委員)が求める工場別の同期・同学歴入社者ではなく、会社が役職登用差別を隠すために意図的に操作したデータである可能性に疑問を持ったのでしょう、審査委員長はそれについて会社側に質問をしました。

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 しかし会社側は、「2005年度と2001年度のデータしか持っていない」、「電子データは保存していない」 と答えたため、審査委員長は 「会社のデータの信憑性に疑いを持たざるを得なくなる」 として、再度、会社側に釈明を求めることを告げました。

 さらに、申立人らが提出した京浜事業所の2000年度のデータによれば、圧倒的多数が作業長、技長以上の役職に昇進しており、参事や製造長以上に昇進している人も多数いることが明らかになっています。

 審査委員長がこの点について、「会社はこの証拠を認めるのかどうか?」 と問いただしました。

 これに対して会社側は、申立人らの証拠データを否定できず、まともに答えられませんでした。

 審査委員長と会社側弁護士、本社労政担当とのやりとりから、技能職の役職登用差別の実態が、いっそうハッキリしてきました。

 今後は、審査委員長の釈明要求には年明けの1月10日までに回答書を提出すること、最終陳述書を2月27日までに提出して結審とし、その後に命令を出すこと等の日程が決まりました。

                                                  (E記)


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