[職場だより]  2015年10月11日   東芝再生への道3
東芝の経営戦略「集中と選択」の内容

3. 東芝の経営戦略「集中と選択」の内容
                   (1999年当時)

 総合電機メーカとして続けてきた事業を4つに分類し、 資源(資金や人員)の再配分を行った。
 ・資源を集中させる分野
 ・規模拡大は求めずに収益を確保する分野
 ・アライアンス(協同)・合併などで存続していく分野
 ・撤退すべき分野


●社内カンパニーにした事業
 「東芝」に残すが、それぞれを独立採算制で経営する。

 @ モバイルコミュニケーション社
    …携帯電話機
 A デジタルメディアネットワーク社
    …ハードディスクドライブ(HDD)、液晶テレビ
 B PC&ネットワーク社
    …ノートパソコン
 C セミコンダクター社
    …半導体
 D ディスプレイ・部品材料統括
    …小型燃料電池、医療のDNAチップ
 E 電力システム社
    …原子力発電機
 F 電力流通・産業システム社
    …絶縁開閉装置、電車
 G 社会システム社
    …自動改札機、水道監視システム


●東芝グループ会社にした事業

 ・東芝テック株式会社
    …会計レジ、複写機
 ・東芝モバイルディスプレイ株式会社
    …中小型液晶ディスプレイ
 ・東芝エレベータ株式会社
    …エレベーター・エスカレーター
 ・東芝ソリューション株式会社
    …特許検索システム、遠隔監視システム
 ・東芝メディカルシステムズ株式会社
    …医療機器、CT・超音波診断システム
 ・東芝コンシューマHD株式会社
    …冷蔵庫、洗濯機、掃除機、炊飯器


●アライアンス(協同)・合併、撤退の事業

 1998年 5月…芝浦製作所の事業再編 モーターなど

 1999年 1月…複写機事業を東芝テック(株)に移管

 1999年 4月…空調設備事業部門を分離し、
       「東芝キヤリア株式会社」を設立

 1999年  …東芝硝子(株)を旭硝子(株)の傘下に

 1999年  …金融機関向けのATM事業を沖電気(株)に譲渡

 2001年12月…半導体メモリ・汎用DRAMの製造及び販売を終息


4. 東芝の経営戦略商品

 特に2つの事業に資源(資金や人員)を集中させて、 2つの戦略商品を生産、販売して、利益を上げる経営 方針をとった。

@ 電子デバイス事業
  ◆半導体…NAND型フラッシュメモリを主力製品にする。
       携帯電話、デジカメ、SDカードなどに使われる。

99年12月…NAND型フラッシュメモリ事業の将来性に着目し強化を計る。

04年 6月…メモリ事業の主力工場である四日市工場への投資額を増額し、
NAND型フラッシュメモリの製造棟を建設。
製造装置も含めた新製造棟にかける資金総額は、2006年までの4年間で、
約2,700億円の計画。

10年 7月…四日市工場へ8,000億円の投資


A 社会インフラ事業
  ◆原子力発電機を主力製品にする。

06年 2月…ウェスチングハウス社株式取得による原子力事業の強化。
      取得額は6,210億円

 米国…32基以上の新設計画… 8基受注済み
 中国…50基以上の新設計画… 4基受注済み
 日本…今後12基の新設計画… 電源開発(株)青森県大間で着工

 英国、フィンランド、インド、東南アジア他で新設計画 … 受注獲得活動推進
東芝の職場を明るくする会
連絡先  メール akaruku-tsb@kki.ne.jp