[職場だより] 2022年12月01日 東芝は社会的、国民的企業として
        −成長、未来をめざせ−

 東芝が取り組んでいる事業や、製造している製品は、社会や国民生活の要求に応えるもので、利用はますます広がっていきます。

カーボンニュートラル
(1) 経済産業省は、再生可能エネルギー発電として、風力発電の導入に力を入れています。
 東芝は、新規風力発電所に納品する、風力発電機を受注し、製造に取り組んでいます。
 〇秋田県能代市・三種町及び男鹿市沖、
  秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子沖に
  洋上風力発電機 12.6MW機を合計134基
 〇福島県阿武隈に
  陸上風力発電機 3.2MW機46基

 9月30日には、秋田県と「再生可能エネルギー導入推進に関する連携協定書」を締結しました。洋上風力発電向けの機器・部品を 秋田県で積極的に調達し、秋田県と連携・協働による活動を推進し、再生可能エネルギー全般に関する産業基盤を創出するとしています。

(2) ビルの壁や窓に貼り付けて使うことができるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品化が進んでいます。どこでも誰でも簡単に、 太陽光によるクリーンな電気を利用できるようになります。

蓄電池
 電気を一時的に蓄える蓄電池として、東芝が開発した新型のリチウムイオン電池「SCiB」は、安全性、 長寿命、低温性能、 急速充電、高入出力、大実効容量などの特長を持ち、電気自動車や電車などに広く使われています。

自動運転の目
 自動運転の車などに搭載して、暗闇、霧、雪などのなかでも、300メートル先にある物体も認識できる、 手のひらサイズ(206 cm2)の LiDAR(ライダー)を製品化しました。


従業員は声を上げよう
 東芝の高い技術力を生かした事業や製品は、時流に乗り、これからも成長が大いに見込まれます。東芝は社会的、 国民的企業として未来を目指して活動することが求められます。
 モノ言う株主・投資ファンドの短期的利益要求の圧力に流されないで経営が行えるよう、従業員・労働組合は声を上げましょう。


●上記の記事は、従業員の皆さんの意見を聞きまとめたものです。
◆まとめるまでの経過を下記に報告します。

「週間東洋経済」誌が 8月27日号で東芝特集を組みました。
表紙には次のような活字が大きく並びました。

東芝の末路
 ・非公開化でも険しい未来
 ・「データで稼ぐ」に3つの懸念
 ・ガバナンス不全は重篤化
 ・現役社員たちが明かす社内のリアル&ボーナス事情
 ・島田社長を直撃「あとは株主の選択を待つ」

 東芝特集の内容は、創業150年の東芝の栄光と波乱の歴史を語り、2015年4月に不正会計が発覚してからの経営の混乱、困難を載せています。
 2017年12月、東芝は経営再建のため6,000億円の増資を行いました。この増資を引き受けたのが、海外投資ファンドでした。 そのなかに「モノ言う株主」が数社いて、東芝経営に介入して、短期の利益を求めているため、東芝の経営が混乱状態になっているのです。

 「週間東洋経済」誌の東芝特集号が発行された翌日、東芝の職場を明るくする会に、従業員の方と、明るくする会と共同で環境を 守る活動をしている市民団体の方から、「週間東洋経済」を読みましたかとの連絡が入りました。
 また翌日には、地域労連の方が「週間東洋経済」誌そのものを届けてくれました。

 その後、いろいろな従業員の方から、 「週間東洋経済」誌 8月27日号の東芝特集記事についての感想や意見が、明るくする会に寄せられてきました。
 明るくする会も積極的に従業員の皆さんから意見を聞くようにしました。また何人かの従業員には集まっていただき、 感想・意見を聞く話し合いを行いました。

 従業員の皆さんから出された感想や意見をまとめて、整理したのが冒頭の記事です。
また従業員の皆さんから、以下のような意見もありました。

●「週間東洋経済」誌 東芝特集についての感想
@モノ言う投資ファンドが、これほどまでに経営に口出しするとは、驚いている。
Aこの状態だと東芝の経営方向が定まらなくなってしまう。
B投資ファンドは、東芝が事業で生みだす利益の総てを取ってしまっうのか。
C取締役会に投資ファンドを代表する取締役が増えて、彼らに都合のいい経営が行われてしまう。
D東芝株を非公開化すれば、モノ言う投資ファンドと手が切れて、落ち着いて経営が行えると思っていたが、非公開化を行ってくれた 投資ファンドに東芝の資産を吸い取られるからくりがあるとは、驚いた。

●従業員が東芝の事業について、挙げてくれた事項
@東芝エレベータ社 上野原工場に信頼性評価センター新設
 東芝エレベータ社は、上野原工場(山梨県上野原市)に、「信頼性評価センター」を新設する。
2023年度完成予定。建築面積:693u、建物高さ約20mの実機試験棟も増設する。
府中工場や姫路工場から、評価技術者を集結させる(配転)。

 既存建屋内にも新たなエレベーターとエスカレーターの試験塔や、ソフトウエアシミュレーター試験室の設備を導入しました。 環境に配慮した商品の開発や、DXの推進による商品の開発品質の向上にも取り組んで行きます。

A経産省、キオクシア社に929億円の補助金
 経済産業省は7月26日、キオクシア社と 米ウエスタンデジタル(WD)が共同で、四日市工場に建設中の半導体フラッシュメモリーの 生産設備(投資額約2788億円)に、最大929億円を助成すると発表した。

 カーナビゲーションシステムや、データセンター、スマートフォン、パソコンなどに搭載される3次元 フラッシュメモリーで、電子回路の積層数が162層の第6世代を生産する。 既存の製品の2倍の容量と処理速度がある。
 2023年2月に出荷を開始し、24年3月から量産、10年間以上の生産を予定する。
 月産能力は10.5万枚を見込む。

●従業員の皆さんの意見の中で、いつも最後に出されるのは「私たちは、このまま黙っていていいのか。東芝を守れ、従業員の雇用、 労働条件を守れと、声を上げるべきではないか。労働組合が先頭に立って動くべきではないか。」という、じりじりとした思いでした。

東芝の職場を明るくする会
連絡先 メール akaruku-tsb@kki.ne.jp