[職場だより] 2020年05月25日 コロナ危機は新自由主義の破綻を明らかにした
        −東芝は従業員をたいせつにする経営に転換せよ−
 新型コロナウイルスの世界的感染拡大、コロナ恐慌を通して、現在の世界の経済活動や政治のあり方が問題になっています。  医療関係者や経済学者、経営者など多方面の人たちから、日本や欧米諸国が行っている新自由主義的経済政策を、 このまま続けて行っていいのかという意見が上がっています。
◇新自由主義…すべてを市場原理にまかせて、規制緩和と大企業・金持ち優遇税制を行って、資本(企業)の利潤を最大化するという理論。
●新自由主義的経済政策は、公的な医療制度や社会保障を軽視し、「構造改革」の掛け声で予算を削り、 保健所などの統廃合を進めてきました。  その結果、コロナ危機で医療体制の弱体化が明らかになり、市民の命が守れないとの批判が起きています。
●新自由主義の経済政策は、資本(企業)の儲けを増やすために、国内では労働者の賃金の抑制を図る目的で、 労働法制の規制緩和を行い、賃金の低い派遣労働や、非正規雇用を拡大しました。  また、それを足場にして、正社員のリストラ・首切りも行われ、「使い捨て労働」を広げました。  さらに企業収益を拡大させるため、企業の海外展開を推進し、海外生産で生産コストを削減する。  同時に現地生産、現地販売で海外市場の獲得を図りました。
 コロナ危機で、海外の生産、海外からの部材調達がストップしたとたん、 企業の生産活動が中断してしまう脆弱(ぜいじゃく)性があらわになりました。  派遣労働者やパートで働く人たちが、真っ先に雇い止めされています。  また世界経済は、コロナ恐慌におちいってしまいました。
●東芝もコロナ危機で、海外子会社での生産、海外からの部材調達がストップしてしまい、大きな打撃を受けています。  新自由主義的経済政策に基づく経営は、リスクが大きいです。  経営の在り方の見直しが望まれます。
◎米大手企業の経営トップで構成する経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は、2019年8月19日に、 企業の利益が株主ばかりに還元され、 賃上げや人材育成に回っていないとの批判が高まっていた、 これまでの「新自由主義的経済理論による、株主至上主義の経営」を見直し、 従業員や顧客、取引先、地域社会を含むすべての利害関係者の利益を重視する新たな行動原則を公表しました。
 東芝は今も「企業は主に株主のために存在する(株主に利益を還元する企業に)」 という新自由主義的経済理論による経営を行っています。  株主へ配当金を増やすため、目先の利益を上げる事業ばかりに目を向け、儲からない事業の切り捨て、 リストラ・解雇、人件費の削減などを推し進めています。
◇2019年だけでも1,237人もの従業員を早期退職の名で解雇しています。
◇2020年4月からは、従業員の賃金を引き下げる人事処遇制度(賃金制度)を導入しました。
 従業員を使い捨てにする新自由主義的経済理論の経営を見直し、従業員をたいせつにする経営への転換が求められます。
東芝の職場を明るくする会
連絡先 メール akaruku-tsb@kki.ne.jp