東芝の処遇制度改定案
役割等級制度の導入による 賃下げ・降格・差別扱いは認めない!
人材の育成・活用を大切にする職場風土に
東芝Nextプランでは「2023年までに7000人の人員削減」を計画し、東芝労働組合に「人事処遇制度全般の改定(構想提案)」を提案しており、労組本部で検討しています。
東芝労組は、2020年春闘の交渉の中でも検討していますが、多くの組合員には詳細な内容が知らされず、論議は不十分な状況です。
東芝は、提案の中で「新しい価値を創造できる人材をいかに労働市場から獲得し、育成するかが重要」「事業環境の予見が困難で、変化への即応力が重要」として
雇用の多様化/外部労働市場と連動させる」ために、賃下げ・降格・出向や転籍と早期退職勧奨などをやりやすくしようとしています。
これらの施策は、自民党政府が進めようとしている「労働法制の改悪」の先取りになっています。
目先の利益優先の処遇制度改定ではなく、十分な検討を
東芝がまねいた企業危機は、アメリカと日本の政府の原子力ルネサンス政策にのって目先の利益を優先させ、ウエスチングハウス社を市場価値の2倍で買収したため、
財務が悪化したことで、海外原発事業の損失隠しと粉飾決算などの違法行為にはしったことが原因です。
このような経営者の暴走を許した背景に「自由にものが言えない職場風土」があったことは、調査委員会も指摘したところです。
賃金制度や評価制度は、納得いくまで組合員への説明会や職場討議をおこなうべきです。
賃下げや降格、人減らしリストラのプレッシャーで追いたてるような処遇制度では、メンタルヘルス障害を増やし、病気をすると退職を強いられるような殺伐とした職場風土を生み出すことになるのではないでしょうか。
東芝の役割等級制度では 評価次第で賃下げ/降格が自由?
労働組合の役割は「一人では会社にたいして弱い立場にある労働者の権利や生活向上の要求を、団結した力で勝ちとること」にあります。
東芝労組・第297回中央委員会議案書のQ&Aでは「ランク4以上の高い成果をあげれば昇給できるから賃下げを含む会社提案を理解する」旨の回答をしていますが、団結して賃下げを止める努力をすべきです。
いま東芝関係の組合員は、これまで数年間の年収カットに耐えて頑張っています。
「今後、優秀な人材の採用にお金を使うので、組合員の処遇を下げる」という改定案の考え方は納得できません。
「 職場の人間関係が難しくなるのでは?」と心配する声もあります。1年ごとの評価でS1からS2に下げ、評価ランクが下がれば賃下げとなったら、退職を迫られるのと同じではないでしょうか?
(下記の改定案は、TDSL社の場合です。)
新賃金=役割給(定額+累積額):S1〜S4グレード
- 累積額1は、基準1未満の累積額
- 累積額2は、基準1以上基準2未満の累積額
- 基準額2を超えると、マイナス査定が大きくなる。
ESS社と(京浜)(府中)事業所は業務センター(追い出し部屋)を廃止せよ 本人の意向を尊重してすみやかに通常業務に戻せ!
東芝NEXTプランにより東芝ESS社では、早期希望退職募集(本人の希望によるもの)がありました。
実際には、何度も退職強要面談があり、東芝の職場を明るくする会には多くの方から相談がもちこまれ、力を合わせて退職せずに雇用継続を実現してきました。
ところが2019年3月末には、最後まで退職勧奨に応じなかった人たちを、総務部(業務センター)に配転したうえで他社に出向させ、輸入化粧品の配送業務や倉庫業務などをさせています。1年近い退職勧奨は許せません。
東芝の車谷会長は、2019年11月の東芝NEXTプラン進捗報告会で、「ご本人と相談している。強制は違法だからしません。」と答えました。直ちに通常業務に戻すべきです。
皆さんのご支援をお願いします。
|